はじめに

良いUIデザイナーでいるために普段気をつけていることを書きます。

以下の内容は個人的に気をつけていることであり、他者に求めていることではありません。 もしどんなスキルが必要なのか迷いがあるUIデザイナーがいれば参考になれば幸いです。

1.基礎的なプログラミング

UIデザイナーは1人でアプリケーションを作れる必要もなければ1人でWebページを作れる必要もありません。 しかしUIデザイナーとは必ずエンジニアと協力して制作する職業です。つまりPHPやC#などの言語で作られたベースを土台として設計する必要があります。

エンジニアは技術的な制限を理解していても1から10までそれらを説明することはできないため、デザイナー側がある程度制約を理解した状態でより良いアイデアを提案する必要があります。 デザイナーが何気なく追加したあってもなくても良い1つのデータを引っ張ってくるだけで工数が何日も伸びてしまってもエンジニアはそれらを「デザイナーが必要としたからあったほうが良い」と信頼し実装してしまう恐れがあります。後になって(そんなに時間がかかるなら他のもので代用できたのに!)と後悔しても全員が不幸になってしまうため言い出せなくなることもあるでしょう。 そのためデザイナーはあらかじめ最低限考慮しておくべき内容を察する必要があります。

この察する力をつけるためにもっとも早い方法が基礎的なプログラミングを習得するということです。もちろんプログラミングができなくてもこれらの察する力をつけられますが、対外的に察する力がありますよと効果的にアピールするには基礎的なプログラミングが可能ですと言ってしまえるのがもっとも近道です。

2.基礎的なデザイン

目を引くようなビジュアルデザインや、あっと驚くインタラクションを実装できる必要はありません。 素晴らしいUIデザインとは華やかさとは程遠い存在です。 UIデザイナーになる上で重要なことは基本的なレイアウトや文字組み、配色ができるかどうかです。

私たちはユーザーに説明なしにどのボタンをどの順番で押して欲しいかを暗に示さなくてはいけません。そのために必要な力は基礎的なデザイン能力に他ならないのです。 良いUIは美しいグラフィックがなくても成立し、美しいグラフィックだとしても良いUIだとはいえません。美しいグラフィックかつ良いUIも存在しますが、そのようなUIを作ったデザイナーは長期的にプロダクトが運用された結果破綻してしまった結果も目の当たりにしたこともあると思います。美しさにこだわらず良いUIを目指すことに集中すること、これはUIデザイナーで重要な心得です。

そして基礎的なデザイン力さえ持ち合わせていれば良いUIを目指すことができます。

3.ビジネス

UIデザイナーはユーザーインターフェイスデザイナーのことですが、悲しいことにユーザーのことばかり考えていては仕事になりません。 ユーザーのニーズとビジネスのニーズのバランスをとり、時にはユーザーにとってもっとも良いとされる仕様を諦める必要もあります。

プログラムやビジネスといった制限の中でいかにユーザーにとって快適なインターフェイスを提供できるかは必要以上にプログラムやビジネスを阻害しない形で実現しなくてはいけません。ECサイトを作っていて購買意思決定プロセスと無縁の生活ではいられないのです。

4.共感

デザインという大きな括りにおいても重要なのが共感です。 デザインをする上で重要なステップは共感で、それはUIデザインでも同じようにいえます。 対象をじっくり観察し、事実を認識し洞察する必要がありますが、あくまでユーザーやクライアントに共感することが目的であり、同情してはいけません。

インサイトを見抜くことでより良いデザインを提案できますが、同情してしまえば必要以上に個人的で主観的なデザインになってしまいます。私たちはクライアントやユーザーの希望を叶えるためのデザインを提案するわけではなく、モノをより効果的な形でユーザーに届けることが重要です。

5.経験的認識

経験から得た認識というのは制作において非常に役に立ちます。 なぜならUIとは体験するものであり、それは経験として人にストックされるからです。 人間の行動には動物的な習性も多く含まれていますが、より後天的な認識も非常に多く存在し、それらはベストセラーのデザイン書にも書かれていない場合もあります。経験は時代と共に変化し増え続けるもので、UIデザイナー自身が認識してスキルとして活用していくことが重要です。

特にWebのUIデザイナーはインターネット上に拠点があるためより多くの人々の目線を気にする必要があります。 良かれと思ってデザインを一新した画面で問い合わせが膨大になってしまうこともありますし、ひどい場合は炎上してしまうケースもあります。

ユーザーのニーズを知り、実現可能なインターフェイスに落とし込むには慎重な対応が必須となり、経験的認識が大いに役立ちます。

おわりに

上記の有用なスキルは必須ではありません。 しかし対象を見極める力、デザイナーにおける悟性を上記のスキルを持って鍛えることが重要です。 UIデザインでつまづいた時、まずは上記のスキルの観点から立ち返ってみるのがベストだと思っています。

誰かの参考になれば幸いです! カルテットコミュニケーションズでは原点に立ち返りながらUIデザインをしたいデザイナーを募集してます。